補足・最終更新:2026年9月26日。学校ごとの採点基準と家庭での添削のヒントを区別するため、減点数・合格得点に関する一律の説明を修正しました。
ある程度の適性検査型学習が進むと、実践的な過去問を使うのは非常に有効です。
当HPにも多くの方からお問い合わせをいただく部分なので、ここで一挙に過去問演習のポイントを説明したいと思います。
特に以下のような方は必見ですよ!
・塾に通わせていないので親が採点しなければいけない
・複数の過去問を同時進行していて塾に頼み切れない
・塾に任せっきりではなく家でもサポートしてあげたい
「作文を採点する側に立つ」ということは
どんな作文が求められるかを知っていることを意味します。
適性検査においてどんな作文が求められているかわかれば
親子のコミュニケーションや直前期の生活にも
活かせることが多いはずです。
また、意外と大人も知らない「書きことばの常識」があったりします。
家庭内で何気なく使っている言葉のあり方が
子どもにとっていい影響を与えられるヒントになると思います。
作文添削の基本
作文の評価は、設問の条件・文章の内容・構成・表記など複数の観点から行われます。全校共通の「減点だけで採点する方式」や「1ミスにつき2点」というルールがあるわけではありません。志望校が公表している解答例・出題方針・採点の観点を優先してください。
家庭での添削では、まず設問に答えているか、文章や資料を根拠に説明できているかを確認します。そのうえで原稿用紙の使い方、誤字・脱字、文末表現などを点検すると、内容と形式を分けて振り返れます。本記事は形式面を見直すための指導上のヒントです。
形式面の減点
形式面とは、「書き方」に関する観点です。
原稿用紙のルールにそって書き言葉が正しく扱えるかをチェックします。
「見ればわかる間違い」と言い直してもよいでしょう。
たとえば段落の最初は一マスあける、という有名なルールがありますよね。
あれも原稿用紙の書き方として決まっている形式面のお約束事です。
あるいは、漢字が間違っていたり脱字があったり・・
こういったものも全て形式面の減点にあたります。
すべて「見ればわかる間違い」ですよね。
形式面のミスは見直しで防ぎやすい部分です。ただし、減点の有無・点数・同じ誤りの扱いは学校や設問によって異なります。家庭で点数をつける場合も、独自の練習用評価と入試本番の採点を区別しましょう。
ただし、形式面の確認には少しやっかいな部分があります。
大人でも知らないような「書き方のルール」があるためです。
ここからは注意すべき形式面の減点対象についていくつかみていきます。
(できない子が多いところなので差が開くところですよ!)
①話し言葉の禁止
作文で「超」や「やばい」がだめなのは言うまでもありませんが、
「すごい」や「とっても」はどうでしょう?
作文は書き言葉なので友人同士で話すような口語体は減点。
とはいえ、どこからがアウトかは難しいですよね。
私がよく子どもに教えているのは
「ニュースを読むアナウンサーが口に出すかどうか」という観点です。
ニュースには読み上げるための原稿がしっかり用意されています。
この原稿が書き言葉で正しく書かれていますから
アナウンサーの口から出て我々の耳に届く言葉は99%正しい言葉遣いです。
では、もう一度考えてみてください。
NHKのニュースを読み上げるアナウンサーは
「すごい」や「とっても」を使うでしょうか。
このように考えてみると話し言葉は案外ちゃんとチェックできます。
話し言葉が混ざっていないかも、文章の目的に合わせて見直しましょう。
②略語の禁止
最近は小学生でもスマホを持っている子がいらっしゃいます。
それだけ身近な存在なので、彼らの作文にも頻繁にその言葉が出てきます。
しかし、だめですよね。
アナウンサー、言いませんよね。
そうです。「スマートフォン」です。
略語は一種の話し言葉ですから、形式的な書き方には向きません。
「スマホ買った」も「ディズニー行った」ももちろん減点です。
では、パソコンはどうでしょう。
リモコンは?エアコンは!?
確かに略語ではありますが・・
と悩む必要はありません。
先に紹介した通り、ニュースを想像すればいいのです。
「エアーコンディショナー」も
「リモートコントローラー」も
「パーソナルコンピュータ」も
聞いたこと、ありませんよね?(笑)
それなら、作文でも問題なく使えます。
一点注意が必要なのは、
略語が含まれた状態で熟語として成立している語です。
例えば、「歩きスマホ」。
この語は交通問題でたびたび取り上げられるため
ニュースなどでも聞いたことがあるのではないでしょうか。
昨今は入試問題でもテーマに扱われることがありますから
必然、作文の中にも登場する言葉です。
「歩きスマートフォン」・・・でしょうか。
いえ、安心して「歩きスマホ」と書きましょう。
ニュースで扱われているわけですから。
③「話」と「話し」
最後に少し毛色の違う注意をしておきましょう。
「正しい漢字の使い方」についてです。
送り仮名のない「話」と
送り仮名のある「話し」は
どのように使い分けるでしょうか。
大人でも意識して使ったことがないと
答えに窮するかもしれませんがざくっと言えば
話 = story
話し = talk
ですよね。
細かいところですが、相当数の子どもが使い分けられません。
当然採点する国語科の先生が見逃すミスではありません。
漢字にはこのようにかなり奥深い理解が求められるものがあります。
受検業界では形式名詞についての扱いをどうするかという
中々手強い題材がありますが我々は仕事なので追及します。
一方、多くの子どもにとって漢字とは天敵のような存在で
疑問に思ってもなあなあにし続ける子は多いのです。
塾の先生に頼んでも、多くの子どもの採点に追われて
一人あたりの作文添削に十分時間を割いていない
という場面も見たことがあります。
読み手が文字を判別できるかも確認しましょう。性別にかかわらず、読みやすい字を意識する練習が大切です。読みにくさだけから一律の減点数を決めることはできません。
「話」と「話し」は一例にすぎませんが、
子どもの自分で直しにくいミスはご家庭でもチェックできるとよいでしょう。
まとめ
今回は形式面に関して作文の採点方法を紹介しました。
内容に気を配る人が多い一方、形式は軽視されがちです。
作文の配点や合格に必要な得点は、学校・年度・受検者全体の状況によって異なります。「何か所までなら間違えてよい」と考えるのではなく、内容と形式の両方を少しずつ改善しましょう。
添削では誤りだけを指摘せず、根拠を示せた部分や、前回より伝わりやすくなった部分も具体的に伝えてください。書き直しは優先度の高い課題から取り組み、次の答案で改善できたかを確かめると効果的です。
次に確認したい受検情報
この記事の減点例や得点目安は、全校共通の公式採点基準ではありません。実際の配点・採点方針は学校・年度・設問によって異なるため、過去問の使い方とあわせて、志望校の解答例や出題方針を確認してください。
