<都立中入試> 合格する「塾の使い方」

受検(受験)といえばとにかく塾!
でも本当に塾に行けば受かるのでしょうか。

ここでは
・塾に行けばどのくらい受かるのか
・塾以外の方法はあるのか
・効率の良い「塾の使い方」
についてお話します。

受検の合格率 [塾]

塾に通えば大きなお金が動くわけですから
気になるのは合格率ですよね。
どのくらい受からせてもらえるのか。

ただ実はほとんどの塾は合格率を公開しません。
塾が公開するのは
「どのくらい受かったか」という合格率ではなく
「何人受かったか」という合格者数
だからです。

街中や電車でも
「△△中学校○○人合格!」
みたいなのよくあるよね

そうそう。でも
「△△中○○%合格!」
なんてのはないでしょ

なぜ合格率は出さないかというと
広告にならないからです。

ぶっちゃけ合格率は低いんです。

都立中入試の倍率は平均をとると5倍くらい。
つまり合格率は20%くらい。

もちろん受検者の中には塾に通っていない子もいるので
塾に通っているこの合格率はもう少し高い・・

と言いたいところなのですがそうではありません。

受検するほとんどの子は
塾に通ってるってことか

家庭だけで見るのは
現実的に難しいからね

要するに
塾に行ってて合格率は20% というのが現実です。

厳しい!

一貫受検が難しい所以だね。
でも5人に1人は受かるのも事実!

通塾だけにたよらない方法と合格率

年間100万以上かかって
合格率20%はちょっとなあ
塾以外の方法はないの?

もちろんあるよ
やり方によってはとってもオススメ!

塾にのみ頼った受検はスタンダードである一方、大きなリスクも抱えています。
まずはコストパフォーマンスがあまりに悪いという点。

そしてもう一つは、合否が通う塾によって大きく左右されるという点です。

実績のある塾をちゃんと選べば
いいんじゃないの?

ネームバリューのある大手塾だとしても
自分の行く校舎の先生が優秀かどうかは
わからないよね!

セカンドオピニオンという言葉がありますが
受検でもしっかりとセカンドオピニオンを持つことは大切です。

子どもにとって「どの塾がいいか」に正解がないのであれば
一つの塾に任せっきりしないのも大切なリスクマネジメントになります。

したがってここからは
塾に頼らない受検戦略についてご紹介します。

まったく塾にいかないものから塾併用型のものまで
おすすめ度と難易度をつけて紹介しますので
是非参考にしてください。

家庭内完結  おすすめ度★☆☆☆☆ 難易度★★★★★

これは基本的に子どもの独学+親御さんの補助という形で成り立ちます。
親が先生がわり というやつですね。

学校と違って塾の授業なんて週二回か三回です。
どうせ受検勉強は子供だけでする時間のほうが長いのですから
週二回や三回の授業分を親が代替できてしまえばいいのです。

・・と言葉にすると簡単そうですが
相当難しいのはご想像の通りです。

そもそもこのスタイルで受かるには次の条件をクリアしている必要があります。

  • もともと記述力が高い
  • 論理的思考が得意
  • 親も勉強する時間がある
  • 反抗期がきていない

親の勉強時間って?

子どもに教えるわけだから
テキストも過去問も
一緒にやらなきゃいけないよね

まず難しいのは親御さんがそこまで子どもに付き合う時間があるかという点です。

塾に通わないということは
考え方を教えることはもちろん、
課題を出すことも目標設定をすることも
親御さんがやるということになります。

当然こどもの成績から志望校や併願校を考えたり
作文の採点をすることも求められます。

そっか親のほうがやること多いのか・・

子どもを「勉強さえすればいい」
という状況にするのは意外と大変!

またこういった受検に必要な知識を
親御さん自身が勉強する時間を持てても
子どもの反抗期が始まっていては身も蓋もない状況になります。

したがって家庭内だけで完結する方法は非常に難しいと言えます。

家庭 + 塾  おすすめ度★★☆☆☆ 難易度★★★★☆

これは受検の前半(夏くらいまで)を家庭内で
後半(二学期から受検期まで)を塾でみてもらうという方法です。

志望校や併願校の策定はもちろん、
過去問の解説や最終調整といった
プロじゃないと難しいこと を塾に投げてしまえるのが強みです。

塾にかかるコストも
抑えられるね!

実際、塾で働いているとこのパターンの入塾はそれなりにあります。
が、合格率が高いかといわれると難しいところです。

なぜなら受検後半期には塾ごとのやり方がすでに定着していて
クラスにスムーズに入ることが難しいからです。

とはいえ家庭内で完結するよりは
合格率が上がりそうだね!

家庭教師  おすすめ度★★★★☆ 難易度★★★☆☆

家庭教師は受検において非常に成功率の高い選択肢です。

もちろんどんな先生でもいいわけではありませんが
以下の二点に精通して指導している先生なら
よい結果が期待できます。

①公立中高一貫受検に関するプロである

②一対一指導による発問を重視できる

このHPでも何度か話題にしましたが
そもそも公立中高一貫受検はまだまだ若い入試システムです。

昨今の凄まじい人気倍率に指導できる人間の絶対数が追い付いていないのが現状で
都立中学入試を売りにしている大手でさえ
受検学年のの公立中高一貫受検クラスで大学生のバイトを使っていることも珍しくありません

適性検査型入試は単純暗記でどうにかなる受験ではないがゆえに
子どもの論理性と思考力をどう伸ばすかは非常に難しいところです。

少なくともこの専門性の高い入試システムに精通した講師でないと
かなり厳しいというのは実体験からも痛感しております。

こういった点において
家庭教師として独立して公立中高一貫受検を指導している先生は
かなりのキャリアがあるプロである可能性が非常に高いです。

また、集団塾とは異なり一対一でコミュニケーションをとりながら指導できるので
「なぜそう思うのか」
「どう説明したら相手に伝わるのか」
を体験的に教えていくことができます。

子どもというのはついつい主張が前に出て説明と論理が置き去りになるものです。
したがって正しい伝え方を一対一のコミュニケーションを通して教えられることは
集団塾と比較しても大きなアドバンテージなのです。

とはいえ家庭教師の最大の弱点といえばやはりコストでしょう。

一般的に一時間あたりの指導料が 五千円~一万円 と高額なので
適性検査Ⅰ~Ⅲまで家庭教師で対応していくとなると
とんでもないランニングコストがかかってしまいます。

いくら質の高い授業が期待できるとはいえ
コストを度外視できる家庭はごく少数だと思います。

したがって家庭教師の導入をお考えの場合は
後述する塾との使い分けを考えてみてください。

ちなみに集団塾ではないことで競争力の低下を懸念される声を聞くことがありますが
その点はあまり気になさる必要はないと思います。

確かに身近な他者と切磋琢磨してモチベーションを保つという経験は大切ですが
本来遊びたい盛りの小学六年生が友達と勉強面だけでつなぎあえるかというのは難しいところです。
(特に小6男子はまだまだ子どもですからね)

結局塾で仲のいい友達ができてもそれが合格に結び付く
プラス要素になるかというのは極めて微妙ですから
競争力を意識して集団塾にこだわる必要なないかと思います。

集団塾  おすすめ度★★★★☆ 難易度★☆☆☆☆

毎年何千人と公立中高一貫受検に向かうお子様はいますが
やはり集団塾に通っている子どもがマジョリティであることは間違いありません。

私自身、独立前は公立中高一貫受検を売り出している大手集団塾の出身ですから
中の厳しい管理体制や品質保護努力は知っています。

ここではそんな実体験目線から塾の良さと悪さまで掘り下げたいと思います。

まず、塾の良さはやはり一定の水準がしっかり担保されるところでしょう。

過去問や受験併願校の指導、保護者での受験情報共有など
授業外のシステムも整っています。

同じようなことは家庭教師もやりますが
やはりコストという点では集団塾が優れています。

また、有名な進学塾であれば校舎数も多く
授業へのアクセスのよさという利点もあると思います。
(家庭教師は人気の先生だと授業がとれないこともザラですからね)

現実的に多くの合格者は大手集団塾の出身ですから
まだまだ塾が強い時代は続くと思います。

ただし、個別指導塾は辞めるのが無難です。

大手集団塾にも大学生のバイト講師がいますが
そこまで人数は多くありません。

また、中には大学生にもかかわらず社員よりも授業がうまい講師がいることも事実です。

それでも、集団塾の場合は大学生講師で完結するクラス管理はしません。

主任となるポジションや要となる科目講師にキャリアのある講師を配属し
統制がとれるように維持します。

一方で多くの個別指導塾は大学生バイトが全体の大半であり
その先生との授業だけで完結してしまうので
なかなか外部の統制力が利用できません。

まして大学生に公立中高一貫受検のキャリアがあることなど稀ですから
指導力という点でも言わずもがなというのが正直なところです。

以上の点からまず個別指導塾は候補から外すことを考えて下さい。

では大手の集団塾ならなんでもいいかというと
やはりここにも注意点があります。

まずはコストです。

家庭教師よりは安いに違いありませんが
春季講習や夏期講習に合宿、日曜特訓などとサブオプションの勧誘はかなりあります。

もちろん実力はつきますが
こういった類を言われるままにとっていると結果として家庭教師よりもはるかに高くなることも多いです。

したがって本当に必要なものだけを受講するようにしてください。

二つ目は講師の質です。

「一定の水準は担保される」と言っておいてなんですが
やはり講師の質は校舎によってさまざまです。

子どもは実に正直で、嫌いな先生からは学ぼうとしません。
適性検査の教務力だけでなく求心力もある先生となるとやはり一筋縄ではいきません。

でも、せっかく高いお金を払うのだからいい先生がいいですよね?

であれば、是非いろんな校舎と塾を回って比較してください。
授業見学は随時させてくれるはずです。

同じブランドの塾でも地元から一駅離れただけでずいぶん違うことも多いです。
また、入塾してから違う校舎に移ることもできます。

ついつい一番近い塾 という観点で選びがちですが
せっかくですからいろいろ吟味してみてください。

最良の先生さえ見つかれば
授業の質だけでなく受検全体のフォローまで担保してもらえるはずです。

集団塾+家庭教師  おすすめ度★★★★★ 難易度★★☆☆☆

合格率という点だけで言えば
やはり最強なのは塾と家庭教師の併用です。

集団塾は授業数が多いため
文字通り「勉強漬け」の日々を作るには最良です。
周りの生徒と切磋琢磨ができることも大きな魅力でしょう。

一方、集団塾の弱みは個々の生徒へのアプローチです。
カリキュラムに則って進行していく授業において
生徒の理解度に合わせて授業していくことは困難です。


また適性検査において最も大切な論理的思考・伝達能力は
先生の話を聞いてるだけでは上達しないものです。
(塾に通ってても作文が苦手はこのパターン)

実際に自分で考えていることを言語化し、
文章として論理的に伝えるには一対一の実践しかありません。

家庭教師はこのような一対一のアプローチが専門なので
その子に必要な能力を伸ばすことにおいては最強と言えます。

一方、家庭教師だけでは学習時間の確保が難しいのは事実です。
塾のような授業時間数も自習設備もないからです。
また集団塾に期待できる競争力の向上に関してもほぼ無力と言えます。

お分かりいただけたかと思いますが
集団塾と家庭教師は完全な相互補完関係になっているんです。
最も結果が出せるのも当然といえば当然です。

集団塾に通っている分、家庭教師にはそこまで割かなくてよいでしょう。
集団塾:週3~4回 家庭教師:週1回
という学習構成を組んでいる子が多いです。

それでも塾だけよりは授業料がかかりますから
デメリットはまずコストという点でしょう。

もう一つは家庭教師を見つける難しさです。
適性検査型を指導できる先生が身近にいる場合には
是非おすすめしたいのがこの併用メソッドです。

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