合格までの一年間

ここでは一貫校合格のために、いつからどんな勉強をするべきかをご紹介します。

そもそもいつから受検勉強って始めればいいの?

実践演習は小学6年生からでOK!
でも4、5年生から頑張ってほしいことがあるよ

小学5年生 冬まで

塾や講師によりますが、公立中高一貫受検専用の勉強を始められる最短時期は小学5年生です。
(小学5年生からは、有名な公中検用のテキストがあるというのが一つの根拠です)
ただ実際には、この頃にはまだ「公立中高一貫受検一本」という決定はなかなかしづらいです。

「私立もありかな~」って考えたり
子どもに当事者意識がわかなかったりね

大丈夫!安心してください。
私が見てきた生徒で、合格した子供たちを思い返しても、
「5年生から公中検の勉強をしなければ受からない」 という事実はありません

ただし・・・
5年生から準備しておくべきものが2つあります。

内申(成績)
既に述べた通り、内申点には小学5年生時のものも入りますから、
小学校である程度しっかりとした評価を受けていることは重要です。

「ある程度」とは・・・
という方は↓も参考にしてください

学習習慣(環境)
6年になった瞬間から突然バリバリ勉強するというのは現実的ではありません。
したがって、どんな形であれ勉強することに慣れておくことは大切です。

でも学習習慣ってどうやってつけるの?

無難なのはやっぱり塾とか家庭教師とか

うーん・・
そういうのは6年生からにしたいです!!

それならまずは学校の宿題を完璧に
毎日2時間勉強を目標にしよう!

小学5年生 二月~三月

一年後には受検本番という時期です。
多くの塾ではこの時期から本格的な受検指導をスタートさせます。

このため集団塾に通うのであれば、一月中にはどの塾に入るのか決めるのがセオリーです。
ちなみに、この時点で志望校までしっかり決めておく必要はまったくありません。

6年生になるまでに・・・

①内申は意識しよう
②勉強習慣を身につけよう
③5年生の一月までには塾や先生を決めておこう


上記さえ満たしておけば、専門的な受検勉強や志望校選びは6年生からでも大丈夫


小学6年生 一学期

本格的な受験勉強のスタートです。
塾や先生を信じて、まずは毎週の課題をこなすことに向き合いましょう。

この一学期の学習が公立中高一貫受検の合否を左右するといっても過言ではありません。
詳しくは後述しますが、夏は一学期内容の確認と応用、二学期以降は過去問となりますから、
実質的には公中検に必要な知識を学ぶのは一学期なのです。

このため、毎週膨大な課題がでることもめずらしくありません。
量と質のどちらを大切にするかは、塾や先生によって異なりますが、
この時期に子どもが時間を持て余している状況なら、限りなく赤に近い黄色信号です
即、塾や先生に相談してください。

また、内申にも気は抜けませんから学校の宿題(勉強)もそつなくこなしておく必要があります。
どうしても両立がうまくいかない場合は、これも即、塾や先生に相談を。

順調に勉強が進んでいれば、模試も複数回受けていることでしょう。
一般的には、公立中高一貫校に受かるためには偏差値60以上が必要です。
まずはこの60という偏差値を目指すことを目標にしてください。
ただし・・・実際には得意科目と不得意科目で大きな差が出てしまうことはほとんどです。

得意な適性Ⅰは62までいったけど、適性Ⅱは46・・・
こんなことは、合格する子でも珍しくありません。
大切なのは、総合偏差値です。一科目だけ60を超えていても仕方ありません。
したがって、総合偏差値で58近辺が安定していることがこの時期のチェックポイントと言えます。

ちなみに、一学期のどこかで学校で保護者面談がある場合が多いと思います。
その際、担任の先生に公立中高一貫受検の意思を伝えてください
経験のある先生だと内申書の作成になれていますが、
6年生を初めて持つという先生の場合には早めに伝えておくことが重要です。

小学6年生 夏期

いわゆる受験(受検)の天王山である夏休みです。
集団塾に通う場合は、朝から晩まで塾生活なんてこともめずらしくありません。
(個人的には「量より質」なので、あの生活が最適解だとは思いませんが・・)

基本的に夏休みは一学期に学習した膨大な知識の整理と応用に時間を割きます。
苦手科目や理解しきれなかった単元を克服する最大最後のチャンスが夏だと思ってください。
また、この応用というのは「受検に必要なレベルへの昇華」ということですから、
少しずつ志望校への意識が学習内容に反映され始めます。

この頃には、なんとなく志望校が決まっている子どもが大半です。
まだ志望校を変えても問題ありませんが、大体この辺だなぁという認識を持って塾や先生と話すとスムーズです。
一学期の内申も判明している時期なので、我々としてもいろいろ判断しやすい時期です。

この時期の目標偏差値は、一学期よりちょっと伸ばして総合偏差値60です。
ただし、受けている模試の種別を意識し始めましょう。
いまさら何を、という感じかと思いますが、実はこの時期だからこそ、模試の種別が大切です。
そもそも、模試は以下のように大別されます。

<模試の種類>

塾内で実施されている 内部模試
塾組織が塾生以外も対象に実施する オープン模試(内外模試)

塾外の組織によって実施されている オープン模試(外部模試)
 ↑コレを受けよう!


どれも大切な模試ですが、特に③の外部模試を活用していきましょう。
そして、③の中でも最大規模である首都圏模試の第一回が例年7月ころに始まります。

6年生の夏が終わるまでに・・・

志望校に目星をつけて学校の先生に伝えよう
②1学期内容の整理&苦手科目を克服
しよう
③外部模試を受けよう


夏終わりの模試で、バランスのいい総合偏差値60がとれたら最高

小学6年生 二学期

受検本番まで半年を切り、学習面でも戦略面でも、具体的な内容が求められる時期です。

まず、学習面において二学期以降の主軸が過去問演習・研究になっていくことを念頭においてください。
もちろん通常教材も使って全般的な知識の整理や記述問題への対応力も磨きますが、
この時期から過去問に入り始めないと間に合いません。

各校の過去問として一般販売されているものは過去10年分収蔵と、かなりの問題数が入っているからです。
ただやるだけではなく、しっかりとした見直しと振り返りをして、
さらには解きなおしや二周目以降も考えると、膨大な時間が必要になります。
[過去問の詳しいやり方はコチラ]

受検校が決まっていないことには過去問が買えませんから、まずは九月の序盤までに第一志望校を決定してください。
この第一志望校によって、併願で受ける私立をどこにするかが相談できるようになってきます。
受検校の選定はいわば戦略であり、多くの場合この部分は保護者様と塾や先生が話し合いながら決めていきます。
九月以降は子どもと親がそれぞれ違う役割を担ってたたかっていくイメージです。

<二学期の役割イメージ>

子ども
実力を磨き、第一志望校の過去問に挑む、分析をする

保護者

子どもの成績傾向に基づいて、第一志望校や私立の併願校を決めていく

[併願校の詳しい決め方はコチラ]

小学6先生 冬季

二学期までの内申も出そろい、受検までわずかです。
しかしながら、学習面でやらなければいけないことは二学期とかわりません
ひたすら実力を磨き、過去問を解き、分析します。
問題にもよりますが、過去問の二周目以降に入るのも非常に効果的です。
併願校になる私立の過去問を解くのもこの時期です。

学習面はそんなに変わりませんが、受検に向けてやらなければいけないことが多い時期です。
この時期は出願関係で保護者様のご協力が必要不可欠な時期です。
おおまかな流れ以下を参考にしてください。


[願書の入手と出願準備]
都内の公立中高一貫校の願書は11月下旬から12月上旬には、配布が始まります。
多くの学校が、直接取りにいかなければいけないので注意してください。
(HPをこまめにチェックしましょう)

願書を取りにいったら、願書の中身をそろえるのはもちろんですが、
学校の先生に報告書の作成をしてもらうことも忘れてはいけません。
ここでの話をスムーズに進めるために、一学期の面談で受検の意思を伝えておくことが大切です。
※冬休み中に作成してもらう→三学期スタート時に受け取る→出願 の流れが多いです。

また、九段を受ける場合は、志望動機と自己PRを書く必要があります。
点数にはならないとされていますが、てきとうに書くわけにはいきません。
意外と時間のかかることなので、早めに願書をとりにいって、書き終えてしまいましょう。

[出願]
都内の公立中高一貫校の出願は、三学期がスタートした直後(1/9や1/12など)に始まります。
出願期間はそこからおよそ一週間です。
間違っても、出願をし忘れたということのないよう、細心の注意を払ってください。
※ちなみに出願は校舎窓口ではなく、郵送が一般的です。

公立中高一貫校の出願が終わると、(少なくとも保護者の方は)ひと段落です。
併願する私立の出願もありますが、こちらは公立に比べればずっとラクだからです。
出願期間も長く、試験前日まで、しかもネット上で出願完了できる学校も少なくありません。
また、報告書も必要ありませんから、学校の先生に事前に頼んでおくものもありません。

この点において、私立の併願校は直前まで迷っていても、受けることに問題は生じにくいのです。
最後の最後まで、私立の設定は塾や先生と相談して頂いて、
2/3に全力が出せる受検日程を組んでください。

小学6年生 三学期

直前期です。この時期の学習はお子様の進捗によって大きく異なりますが、大別すると以下のようになります。

[① 第一志望特化型]
最もメジャーな追い込みです。第一志望校の過去問を可能な限り回し続けましょう。
ただし、大切なのは「答えがあっている」ことではなく、「思考の手順や論理が正しい」ことです。
せっかくさまざまな答えが許される受検をしているのですから、
過去問についている解答を丸暗記するような学習はやめましょう
そうではなく、「どう考えればよいのか」を説明できるかどうかが大切です。
特に作文は、一つの題材に対して無限の書き方がありますから、何パターンも書いてみましょう
このバリエーションが当日の柔軟性に大きく寄与します。

[② 応用力/柔軟性強化型]
主に記述力や作文の追い込みに非常に効果のある方法ですが、プロのサポートが必要だといえます。
というのも、公立中高一貫校の問題は学校によって大きく傾向が異なるからです。
無駄な勉強などないとはいえ、直前期に傾向の全く違う学校を解くことは効率的とは言えませんよね。
したがって、第一志望校に直結する他校の問題をピックアップできる場合においてのみ、おススメ致します。

[③ 併願私立対策型]
ややマイナーなパターンですが、近年増加傾向にあります。
「公立一貫校も行きたいけど、私立の○○も同じくらい行きたい!」というパターンです。
年々、適性検査型入試を導入する私立は増えており、中にはかなりの人気校もあります。
公立一貫校は倍率がとにかく高いですから、実力があるからと確実に合格できる保証はありません。
それなら、同じくらい行きたいと思える私立の対策をやりこもう、という形です。

受検期と合格発表

都内の受検(受験)は、2/1の私立入試からスタートです。
基本的には、2/1に受験に慣れておいて、2/3に実力を出せるように備えます。

[2/1 併願私立受験]
2/1受験の合否は多くの場合、2/2には出てしまいます
合格ならもちろんいいのですが、難しい学校を併願した場合はうまくいかない場合もあるでしょう。
さて、2/3に大一番を迎えるにあたって、2/2の合格発表は見るべきでしょうか。
理由はお察し頂けると思いますが、個人的には見るべきではないと思っています。

結果を見ない代わりに、ときなおしをしましょう。
どれだけ頑張った一年間だったとしても、できなかった問題はあったはずです。
その類題が2/3の出るかもしれません。最後まで、実力を伸ばし続けましょう。

[2/3 公立中高一貫受検]
いよいよですね。この一年間に培った力を信じて、楽しんできましょう。
例年、寒さの厳しい時期です。寒さだけでなく緊張もあって、手がかじかみやすいです。
ホッカイロを持っていくと、精神的にもホッとできていいですよ。

受検票には開門時間も書いてありますが、あまり早く行き過ぎないほうがいいかもしれません。
極寒の中、外で長時間待つと体力も精神力も削られます。
余裕をもって向かうことは大切ですが、ハリキリすぎず、いつも通りでいきましょう。

[2/4 ~ 2/8]
受検日から合格発表の2/9まで約一週間あります。
どうしてもモヤモヤしてしまいそうですが、案外子どもは気楽でいてくれたりします。
子どもたちは、この一年我慢してきたことからようやく解放されるので、
その解放感から合否よりも遊ぶことに夢中になることが多いです。
どうせ待つしかできない期間ですから、どうぞ存分にこの一年できなかったことをさせてあげてください。

ただし、併願した私立への進学する可能性がある場合には注意が必要です。
併願私立校は、多くの場合2/9の本試験合格発表の結果を待ってくれます。
待ってくれますが、合否が出たら速やかに手続きする必要があります。
このため、万が一のときは併願した私立に行くのかどうか、ご家庭で最後の確認をしておいてください。

[2/9 合格発表]
例年だと、九段のみ朝8時から、それ以外の学校は9時から合格発表をします。
HPでも校舎でも見れますが、HPはサーバーが込み合って、2,30分見れないことはよくあります。
合格しているとそのまま手続きになることが多いので、直接見に行くのもよいでしょう。

いずれにしろ、この日をもって受検の全過程が終了します。
結果にかかわらず、難しい受検に立ち向かった子どもをほめてあげてください。

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