最終確認日:2026年10月19日
初めて東京の公立中高一貫校受検を考えるご家庭へ。適性検査の特徴、学校選び、内申点、費用、受検後の進路を順に解説します。学校別の違いは11校の適性検査比較、現在の成績からの試算は内申点・得点計算シミュレーターをご覧ください。
このページでは、公立中高一貫受検に関する包括的な説明を目指しました。
文量はかなり多いですが、情報の少ないこの受検の全貌がご理解頂けると思います。
特に、以下のような漠然とした疑問をお持ちの方は、是非ご覧ください。
- 公立中高一貫校って何?
- 本当に安いの?
- どんな試験?
- 学校ごとの特徴は?
- どのくらい難しいの?
公立中高一貫校とは
そもそも 「中高一貫校」 ってなんなの?
中学・高校がくっついた、6年教育のことだよ。
今までは私立の学校しか選択肢になかったよね
私立の一貫校と区別して 公立 中高一貫校 なのね!
中高一貫教育の魅力は、なんといっても六年間を前提にした、質の高い教育 です。
より長期の学習内容を計画的に運用できるということは、理想的な教育を実現しやすいということです。
多くの子どもは、中学校三年生で高校受験をするため、
中学の三年間と高校の三年間の教育理念が重なることはありません。
受け持つ先生によっても、生徒の伸ばし方や教え方は違いますから、
子どもは自ずとその時々の先生や学校から受けた影響を混ぜ合わせながら、成長していきます。
少々言葉が雑ですがこれでは
教育効果を予測するのは難しいですよね・・
これに対し、一貫校の場合は六年間という時間が約束されているので
狙った通りの非常に効果的な教育を行うことができます。
早稲田や慶応といった最難関私立校含め、私立である本質はここにあるわけです。
高校受験とか大学受験しなくていいことが
魅力なのかと思ってた・・
受験勉強をしなくていいからこそ
ブレない学習と成長が期待できるよね
(講師のホンネ)
実際のところ、一貫校に行けば、という思考はあまり正しくありません。
実は私自身、中学入試を経て私立に入学しましたが
公立中学では得られなかったものを得たとはあまり思えません。
それどころか少なくとも学業面だけ見れば
やはりその時々で熾烈な受験競争を勝ち抜いた人間のほうが優秀です。
また一講師として振り返っても
これまで見てきた受験生で最終的な学歴という観点で最も成功した子たちは
公立一貫校合格組 = 公立一貫校不合格→高校リベンジ組 >> 併願私立入学組 > その他
という感じでした。
以上の理由から「一貫校であればどこでも」という考えはお勧めできませんが、学習努力の機会があった小学生時代はやはり代えがたい価値があると思います、。
受検の費用
一貫校の強みはわかったけど、
ぶっちゃけ「公立」だとなにがいいの?
ぶっちゃけ安いです!
進学実績もスゴイ!!
公立校の費用を考えるときは、授業料だけでなく教材費・行事費・通学費なども確認しましょう。私立校との比較は、各校の納付金と利用できる支援制度をそろえて行うことが大切です。
ただし、それはあくまで入学後の話。
受検=塾 と考える場合、どうしても受検に必要なコストは大きくなります。
塾は結構かかるよね・・・
とはいえ、子どもの成長と未来のためと考えれば先行投資は必要です。
公立中高一貫受検で合格してしまえば、高校受験はありません。
どこかでは塾に通って受験生をやらなければいけないなら
それが小学6年生というのはアリですよね。
どうせ中3でお金かかるなら、ここでいい学校に行ってもらおう!
ただし、気をつけたいのは
塾に行く=合格 ではないこと!!
また、塾だけが受検の選択肢ではないことも挙げられます。
是非いろいろな選択肢を知って後悔のない受検にしてくださいね!


(講師のホンネ)
もともと集団塾の内部にいた人間として授業料は心の痛い部分です・・
塾の費用、最初はこんなにかかると思わないんですよね。
授業料は高いけど、それだけなら六桁台でおさまりますから。
でも実際は、春期講習だ、夏合宿だ、正月特訓だ、直前追い込みだ、とあれよあれよと三倍くらいになる。
塾も企業であり、会社ですから。
しようがないんですが正直に申し上げると、独立前は相当うしろめたい気持ちがありました。
私がこの受検は推すのは、本当に素晴らしいシステムだからです。
ただ、その理由としてコストパフォーマンスを挙げてしまうと、どうしても本質から離れてしまいます。
「思ってたのと違う」という声は残念です。
金銭的にも体力的にもラクな受検ではないからこそ、ここでは非常に現実的な側面を記しました。
適性検査
公立中高一貫受検はふつうの入試じゃないの?
ふつうの学力試験じゃないよ
適性検査というテストになります
どう違うの?
「考える力」や「伝える力」
を重視するんだよ
公立中高一貫受検で最も特徴的なのが、適性検査です。
従来の私立入試が
知識を詰め込み問題に正しく解答する
ことを重視する一方、
公立中高一貫受検の適性検査は
論理的に思考し相手に自分の考えを伝える
ことを重視します。
また、受験科目も国語や算数といった教科名ではなく
適性検査ⅠやⅡという名称で広い範囲を問うものになります。
ⅠとかⅡと言われてもあれなので
ざっくりまとめるとこんな感じ!
- 適性検査Ⅰ
主に国語の能力を問います。 ※作文が6割前後 - 適性検査Ⅱ
主に算数と理科と社会の総合的な能力を問います。 - 適性検査Ⅲ
学校が特に求める能力を問います。
適性検査は学校によって大きく異なります。
適性検査ⅠとⅡには東京都が作るベーシックな入試問題があります(共同作成問題)が
多くの学校はその一部あるいは全てを独自問題に差し替えます。
適性検査Ⅲの有無は学校によって異なります。地域だけでは判断せず、志望校の募集要項と実際の問題で、検査の構成を確認してください。
ようするに学校ごとに問題の傾向が全然違うってことね
自分の得意と学校の出題傾向がかみ合わない
なんてことのないように!
ただ、全校共通して適性検査Ⅰは国語です。
見て頂いてわかる通り適性検査Ⅰだけは国語のみの教科範囲となっており
他の適性検査とは大きく異なります。
また、作文はもちろん適性検査Ⅱや適性検査Ⅲでも
記述問題が多いのも公立中高一貫受検の特徴です。
どこを受けるにしても「書くこと」からは逃げられないので
記述への苦手意識はしっかり払拭しましょう!

(講師のホンネ)
実のところ、公立一貫校受検は生徒にとってだけでなく、講師にとっても間口の狭い受験システムです。
知識を教えるのと違い、考える力や伝える力を育てることは一筋縄ではいきません。
また、この受検は本当にまだ歴史が浅く、教える側にも十分な研修体制が整っていないこともあげられます。
専門講師ももともとはただのひよっこですから、失敗を繰り返して成長します。
ただ、保護者の方からすれば、大切な子どもの受検指導をひよっこに任せるわけにはいかないですよね。
塾側もできる限りキャリアと見識のある講師を振ろうとはするのですが・・・
いかんせんその絶対数が少ないのです。
結果として、教えられる塾が偏ってしまったり、残念ながら十分なキャリアのない講師が担当になってしまったりします。
当然私にもひよっこ時代がありましたから、キャリアのない講師を責めることはできません。
キャリアがない=指導力がない というわけでもないと思っています。
ただ、公立中高一貫校の真実をろくに伝えない塾業界の人間が一定数いるのは事実です。
シンプルにこの受検のキャリアや知識がないのか、入塾促進や度重なる講習の受講促進のためかわかりませんが、
胸が痛くなるのは、こういった塾側の軽はずみな言動で、保護者の方や子どもたちが間違った認識をもってしまうことです。
公立中高一貫校受検は厳しいです。受からないほうが普通です。それは事実であり、現実です。
でも、子どもの考える力を育む、本当に素晴らしい受検です。
私はそう信じています。
もし、「受かります」と簡単に言う講師に出会ったら、
本当にその塾に預けていいのか、よく考えてください。
内申評価制度
なんとなく適性検査の仕組みはわかったよ。
つまり、このテストで点数をとれば受かるんだよね?
残念ながらそうとも言い切れない・・・
実は、適性検査の点数だけでなく、
内申も重要なんだ。
内申??
報告書や調査書とも言うよ。
つまり、小学校の成績だね!
公立中高一貫受検を初めて知った方の多くが驚かれるのが、内申評価制度です。
内申とは小学校の成績のことです。
基本的には、小学5年生と6年生の通知表が受検校に送られ、点数化されます。
(区立九段の場合はさらに小学4年生も含みます!)
ここでドキッとされる方はぜひ、内申という観点からの学校選びもアリです。
なぜなら内申をどれだけ重視するかも学校によって異なるからです。
内申にこれといった特徴がなければ得意科目から学校を選ぶべきです。
その一方で
①勉強はできるけど内申にキズが・・
②内申は完璧だけど本番に弱い・・
というような内申に特徴がある場合はぜひその視点からの学校選びも考えてみてください。
ちなみに、公立中高一貫受検に合格する子の一般的な内申は
「できる」が2~3科目 というところでしょうか。


公立中高一貫受検の難易度
で、ぶっちゃけ難しいの?
うーん・・
難しいけど難しくない!
公立中高一貫受検は簡単な受検ではありません。
私立受験に比べても、高校や大学入試と比べてもトップクラスで難しいのが事実です。
具体的な数字で表すとこんな感じです。
2026年度の都立10校・一般枠の応募倍率は2.08~4.48倍、全体で3.56倍でした。応募倍率は応募人数÷募集人数です。実際の受検人数÷合格人数で求める倍率とは異なります。出典:東京都教育委員会・2026年度応募状況。
いまいちピンとこないなあ
偏差値的にはG-MARCHレベル
合格率は30%くらいだよ
東京都内では、都立10校と千代田区立九段中等教育学校の計11校を比較できます。偏差値は模試の種類・判定基準・受検者層によって変わるため、同じ基準で確認しましょう。
私立校との比較では、入試方式や実施回による違いも重要です。同じ偏差値でも、出題内容や必要な対策まで同じとは限りません。
また公立中高一貫校入試を難しくしているのは
偏差値以上に倍率です。
公立と私立の倍率を比較する際は、年度・男女区分・入試回・倍率の計算方法をそろえる必要があります。応募倍率と実質倍率を混ぜて、どちらが難しいと断定することはできません。
倍率だけでは合格の難しさを判断できません。過去問で求められる力や、報告書と適性検査の配点もあわせて確認しましょう。
つまり
G-MARCHより難しいってこと?
一概にそうとは言えないかな
公立中高一貫は適性検査だから!
公立中高一貫受検の特徴といえば適性検査です。
先にも述べた通り「考える力をみるテスト」でしたよね。
したがって、難しいとは言っても
私立入試のように暗記だけに偏らず、知識を使って考える学習が必要のです。
論理的に考える力や書く力があれば
塾に通わずに受かってしまう子がいるのも事実です。
私立・公立のどちらでも基礎知識は重要です。学習方法は出題形式と子どもの課題に合わせて選びましょう。
つまり入試問題は
G-MARCHより簡単ってこと?
そういうこと!
G-MARCHよりも
圧倒的に少ない知識で
可能性がある入試だよ
学校選びのポイント
偏差値・倍率は比較の条件をそろえること。小学校の基礎学力を土台に、資料を読み取り、考えを説明する力を育てること。志望校の過去問と配点を確認すること。この3点を大切にしましょう。

受検のその後
考えたくないけど
落ちてしまったらどうなるんだろう・・
5倍という倍率だから
当然ありえるよね
どんな中学に進学するの?
高校入試は?
募集人数より多くの応募者が集まるため、準備を重ねても希望どおりの結果にならないことがあります。合否だけで子どもの努力や成長を評価しないことが大切です。
不合格になってしまう子のほうが圧倒的に多いのですから
当然恥じるようなことではありません。
(逃げ場のない入試にならないのがポイント)
不合格になった場合
進学先として一番多いのは地元の公立中学です。
経験上、8割~9割は地元公立に進みます。
ほとんどの子が地元の中学に
ふつうに通うんだね。
残りの1~2割は?
併願合格していた
私立中学に進むよ
私立に受からなかった子が
公立に進むってことなのかな
私立に受かってても
公立に進む子が多いんだ
多くの子は第一志望の一貫校(2/3)のほかに
練習として私立を併願します(2/1)。
この私立併願校は第一志望校ほどは難しくないため
合格することが多いです。
が、実際にはほとんどの子が私立には進みません。
理由は大きく2つあります。
- 私立は学費が高いため
- 地元中学から高校受験でリベンジするため
特に多いのは高校リベンジを果たすためです。
実は公立中高一貫校受検で不合格になってしまった子は
高校入試で大きく巻き返すことが非常に多いです。
本人たちの悔しさはもちろん、
一年間の受検勉強で培った土台がありますから
早いうちから高校入試を意識することができるのです。
中学一年生のときから
「○○中学より高い偏差値の高校に行ってリベンジしてやる」
と闘志をたぎらせることができるのは
小学校6年生で受検に挑んだからこそですよね。

最後に
公立中高一貫校の魅力はなんといっても適性検査型の入試です。
従来の暗記型学習ではないからこそ、
入試の内容も受検勉強に打ち込む一年間も
子どもの考える力を大きく伸ばしてくれます。
覚えることよりも考えることを重視することで
「勉強はたのしい」と知れることは何にも代えがたい財産です。
公立中高一貫校への受検を考える際には、古い倍率や印象だけでなく、志望する年度の公式情報を確認してください。
倍率は学校や年度によって変動します。一つの数字だけで不安を膨らませず、希望する進路と合否の両方に備えておきましょう。
一度の入試結果には、当日の状態や問題との相性も関わります。結果にかかわらず、その先の学びを続けられる準備をしておきたいですね。
しかも受けられるのは人生で一回だけです。
正直な話、
私にはかなり理不尽な試験のように思われます。
これから子どもが立ち向かうのは
そんな入試です。
入試である以上、合格は当然の目標です。
しかし結果ありきでこの入試を考えるは
かなり危険なことだという事実認識をもっていただければ幸いです。
そのうえで親御さんにお願いしたいことは
適性検査の問題を解いていただくことです。
この入試を通して
どんな力が得られると思うか
想像していただきたいのです。
そして
11歳や12歳という年齢で
過酷な受検に挑むことが
お子様にとってどんな意味を持つか
考えて頂きたいのです。
そこにはこの適性検査型入試だからこそ思い描ける
子どもの成長があると思います。
もしそう思われたのであれば、
この受検は子どもの成長を裏切りません。
公立中高一貫校と適性検査型入試のいちファンとして
一人も多くのお子様とご家庭が
価値ある受検をされることを願っております。
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