公立中高一貫校(都立中入試)を知ると
「うちの子にどのくらい向いているんだろう・・」
ということが非常に気になりますよね。
このページでは公立中高一貫受検を知ったばかりで
実際に受検を目指すかどうか迷っている
という方に向けて
どんな子どもが受かりやすいのか解説します。
公立中高一貫受検の特徴
まずはこの受検の特徴を簡単にまとめておきます。
- 私立受験と異なり四科目受験ではない
→適性検査型という思考力検査 - 書くこと(作文や記述)がメイン
→柔軟な発想力が求められる - 知識の量ではなく考える力が問われる
→暗記学習が苦手な子でも〇
ようするに
従来の受験イメージとは大きく変わり
ガリベン小学生じゃなくてもいい!
ってことです。
私は公立中高一貫受検専門の塾講師としてこれまで300人以上の受験生を見てきましたが
その中で実際に合格した生徒たちを思い浮かべても
「The 優等生」みたいな子どもは少数です。
つまり
今までの受験生像にあてはまらない子でも受かるのは正真正銘の事実
だということです。
もしお子様がちょっとやんちゃなタイプで
中学受験には向いていないんじゃないかな・・
と思っていらっしゃるなら
この入試にそんなことは関係ありません。
では誰でも受かってしまうのかと言われれば
これは大きな誤解です。
むしろこの受検は私立受験をはるかに凌駕する
倍率6倍に到達するほど厳しいものでもあります。
では実際に
どんなタイプのお子様がこの受検に向いているのか説明していきます。
受かりやすい子の特徴
①「なんで?」「どうして?」がしつこい子
勉強はもちろん日常生活全般で
疑問を連発する子は受検に向いています!
親御さんからしたら
「なんでったってこういうものなの!」
と言いたくなるような効率の悪いやりとりですが
適性検査にはこういった視点が重要なのです。
この入試において最も重要なのは論理性です。
適性検査型入試といえば記述や作文ですが
これは論理的な思考能力を測ることが目的です。
私立受験では膨大な知識を暗記する力が必要ですが
適性検査型では因果関係を考える力が必要なのです
このため常日頃から疑問をぶつける子は
本質的にこの受検にとても向いていると言えます。
② 揚げ足取りがうまい子
これまた親からしてはちょっと面倒ですが・・
事実です。
ただし、揚げ足取りが「うまい」子です。
日本でも少しずつ浸透してきていますが
論理的思考にはクリティカルシンキングという側面があります。
これは簡単に言えば
常識となっていることを疑う力 です。
「こう言われたからこう」
「こういう風に言われているからこう」
「こう言われてるが本当にそうなのか」
「○○が△△なら××の可能性もある」
このような論理的な否定ができると
他の受検生に何歩も差をつける作文が書けます。
クリティカルシンキングや論理的否定構成という
本格的な技術は勉強の中で身に着けていきますが
ど直球に素直な子よりも、
やや大人にとっては扱いづらい子のほうが
こういった力の上達がスムーズなのは確かです。
③ 大人の言い回しを面白がる子
三つ目は少し表現が難しいのですが、
「子供のくせに」と思われるようなふるまいを気取れる子です。
適性検査型入試では作文が合格の鍵ですが
この作文が 子どもっぽいか大人っぽいか は
合否に大きな影響を与えます。
私も塾講師として日頃子どもの接していますが
したり顔で大人っぽいことを言う生徒はそう多くありません。
(体感的に7人に1人くらいでしょうか)
そういった子はすべからく作文が上手になります。
大人っぽい振る舞いを楽しんでるだけなのかもしれませんが
「大人っぽくできること」は大きな武器です。
似たような視点で脚色がうまい子も強いです。
(ようするに嘘がうまい子ですね・・)
作文で出される題材は様々です。
環境問題への取り組みや、これまでの挫折から学んだこと。
普通の小学生には思い当たらない経験を問われることも多々あります。
こういった題材に素直に
「ないです」と答えるわけにはいきません。
大人っぽい言い回しを使いながら仮想的な事実や伝聞を埋め込める
そんな素養をもった子はやはり強いのです。
さいごに - 受かる子の共通因子
塾講師の間では有名な話ですが、
公立一貫校に受かるのは大人っぽい子どもです。
「なぜ」を考える力も
「論理的に常識を疑える力」も
(脚色する」力も、
社会では当然のように求められる力だと思いませんか?
適性検査に向いているのは
そういった素養を備えている子です。
とはいえ子どもは社会に出ていませんから、
こういった部分が露呈するのは生活の端々です。
その結果として
「なぜ・どうして」がしつこかったり
揚げ足取りがうまかったり
大人のふるまいを模倣して楽しんだり、
とそういう特性につながるのだと思います。
また、私自身いまだに理由がうまく説明できない合格者の特性もあります。
いわゆる「お調子者」というタイプです。
クラスの中心で笑いをとるタイプや
ムードメーカーのような存在になる子は
どういうわけか適性検査に向いています。
周囲の反応を推察する力があるということなのか
作文や記述で大人をはっとさせるような
独自視点を展開できることが多いです。
やはりこのへんを見ても、
従来の受かる受験生イメージとは異なりますね。
以上のように公立中高一貫受検は
受検システムも受かる生徒像も従来の受験とはずいぶん異なります。
この記事を読んで
「もしかして・・」と感じたなら
ぜひ前向きに考えてみてください!