では、実際どのくらいの内申があれば合格できるのでしょうか。
これに関しては絶対的な指標がないので、私の経験から三つの視点を紹介し、お話を致します。
・オール3の割合
・2と1の許容範囲
・過去最も内申が低くても受かった子の実例
<そもそも成績への換算とは>
上記で1や3などの数字を出しましたが、小学生の成績は数的評価ではないですよね。
多くの場合、「もう少し」や「よくできる」といった文言評価が観点別についています。
本受検の要項や本記事で採用している数字評価は、上記の文言評価を数字に置き換えたものです。
特に難しい換算定義があるわけではなく、「もう少し」なら1、「よくできる」なら3といった置き換えです。
なお特定の私立をのぞき、成績表では各科目に三観点(知識・思考・積極性)設けられています。
例えば国語の成績で、三観点の中で一つだけ「できる」で、残り二観点は「よくできる」になっているとします。
この場合、国語の最終評価は「よくできる(=3)」です。過半数評価システムと考えてください。
<オール3を持つ子の割合>
オール3とは、全科目の評価が「よくできる」であるということです。
まさに優等生の証ですが、一貫校受検生においては非常に珍しいとまでは言えません。
少なくとも、私の担当する生徒は例年4分の1くらいがオール3を持っています。
が、決して全員が受検に合格するわけではありませんし、オール3がなければ受かっていないわけでもありません。
オール3は有利には違いありませんし、一定数います。
しかしオール3でないからといって悲観的になる必要は全くありません。
<2と1の許容範囲>
では、2や1はどのくらいあってよいものでしょうか。
これは受ける学校によっても、その子の当日点によっても違いますから具体的な境界点数は存在しません。
が、少なくとも私の経験上、受検生全体を見ても合格者を見ても、
2(「できた」)が三科目以下 というお子様が最も多いです。
オール3に越したことはありませんが、
苦手な科目が1つや2つあることや、ちょっと癖のある先生にあたってしまうことはよくあることです。
ただし、2が四科目以上あると、合格率が目に見えて下がります。
これがどうしてなのか、今ひとつ釈然とした説明はできないのですが、
やはり倍率4倍にもなる受検においては小さな点差がしっかり合否を分けるということだと思われます。
また、厳しい言い方になりますが、1(「もう少し」)は論外です。
1と3の間には大きな差があるためです。
以下は一例ですが、両国の内申得点換算基準。
1と3では8倍もの得点評価差が生まれてしまいます・・

このような事情からか、これまで300人以上の受検生を見てきましたが、1があって合格した子は一人もいません。
<過去最も内申が低い数値で合格した生徒の実例>
非常に努力家で、素直な男の子でしたが、人との距離感の取り方に個性的な一面がある子でした。
テストの点数は良いのに成績はお世辞にも良いとは言えず、小学5年生時点で2が五科目もありました。
6年生で私が担当を始めてからは、内申の重要性を理解してくれ、学校の生活面でもたくさん努力をしてくれました。
それでも残念ながら6年生の最終評定は2が四科目。
一番悔しかったのは誰よりも本人だったと思いますが、めげずに最後まで不断の努力で合格を勝ち取ってくれました。
私が見た合格生の中で、最も内申が低かったのは彼です。
※ちなみに合格したのは両国でした
彼自身の努力もさることながら、ご家庭の協力も非常に厚いものでした。
幸運にも反抗期が受検期間中に来ることもなく、最後まで家ではご両親が横について一緒に勉強されたとのことでした。
また、受検校の策定も、彼の得意な科目と思考のタイプ、そして内申の比重を鑑みながら慎重に進めました。
結果としての合格は彼の努力あってこそですが、「努力すれば2が四科目でも大丈夫だよ」とは私には言えません。
ひたむきな努力をしても不合格になってしまう子はたくさんいるからです。
彼の場合、彼自身の努力はもちろん、たくさんの好条件が重なったという側面を無視してはいけないと思います。
そういう意味で私が担当するご家庭には、基本的に2は三科目まで とお伝えしています。
ただ現実として、2が四科目あっても受かってくれた子はいますから、
数字が十分でないからといって、あきらめる必要はないのです。
